ベルトラン・アンブロワーズのコート・ドール・ピノ・ノワール(Bertrand Ambroise Côte d’Or Pinot Noir)を、二晩にわたって楽しんだ。初日はローストビーフと、翌日は豚しゃぶと合わせていただいた。
初日のグラスから立ち上る香りは、まさにピノ・ノワールらしい典型的なものだった。フレッシュないちご、ドライローズ、そして赤いチェリー。口に含むと、果実味が前面に出た伸びやかな味わいで、実際には辛口でありながら、どこかほのかな甘やかさを感じさせる。そうしたやわらかな果実の印象が、このワインをとても親しみやすく、最初の一杯から素直に楽しめるものにしていた。
特に印象的だったのは、そのバランスの良さだ。果実味、酸、タンニンが見事に調和しており、全体としてすでに開いていて、今まさに飲み頃を迎えている。まだ若すぎるのではないか、もう少し寝かせるべきだったのではないか、と迷う必要はまったくなく、抜栓した瞬間から美しく表情を見せてくれた。
ローストビーフとの相性も実に見事だった。肉の旨みがワインを押しつぶすことはなく、ワインもまた料理とぶつかることなく、自然に寄り添っていた。豚しゃぶとの相性もまた素晴らしく、豚肉の繊細で澄んだ味わいに、このワインの明るい果実味と穏やかな骨格がよく調和していた。
肩肘張らず、ただ純粋に「飲んでいて心地よい」と感じさせてくれる1本。気づけばいつまでも注ぎ続けていたくなるような、そんな素直な魅力がある。3,000円台半ばという価格を考えれば、その満足度は非常に高く、コストパフォーマンスにも優れた1本と言える。
評価(5点満点)
Bertrand Ambroise Côte d’Or Pinot Noir 2023 3.9点
