Gewürztraminer (ゲヴュルツトラミネール)は、あるテイスティングの本で最も品種を特定しやすいワインとされていた。確かにライチ、トロピカルフルーツの甘やかな香りは特徴的だ。このドイツ語圏以外の人には読みにくい名前は、二つの部分で構成されている。“Gewürz”はドイツ語でスパイス、“traminer”は北イタリアのドイツ語圏の町Traminに由来した言葉だ。 初めて出会ったGewürztraminerは、そのTraminのワイナリーのものだったが、他にない複雑な甘い香りと酸味のバランスが新鮮で、大のお気に入りのワインとなった。それ以来Gewürztraminerを見かけると試すようにしている。今回のGewürztraminerは、以前にも書いたCalifornia Central Coast のClaiborne & ChurchillのDry Gewürztraminer。このワインもお気に入りで、ワイナリーの近くに住んでいた当時は気軽に買って飲んでいたが、今回は現地で購入して保存していた2021年のものを開けてみた。

Claiborne & Churchillで作っているのは、アルザススタイルのGewürztraminerで、ドイツやイタリアのものよりドライな仕上がりを目指しているとのことで、Dry Gewürztraminerと名付けられている。 さて久しぶりに開けてみると、ライチ、パイナップル、マンゴーなど様々なトロピカルな香りが丸みを帯びつつ広がった。続いて、白百合やバラの香りも感じられ、後に白胡椒のようなスパイス感もでてきた。ストラクチャーのあるアロマティックワインという印象。飲んでみると、これだけの甘みのある香りを放つものの、完全にドライな味わい。高い酸味とのバランスがすこぶる良い。以前は購入したらすぐに飲んでいたが、今回は少し寝かせたことで、より落ち着いて味わいが深まっているように思う。やはり美味しいワインだ。

今回はパエリアと合わせたが、スパイスカレーにも対応できるようなしっかりとしたワインだ。

評価(5点満点)

Claiborne & Churchill Dry Gewürztraminer 2021  4.5点

投稿者 Gen

Certified Specialist of Wine Sake Diploma