Champagneの南に位置するCôte des Barの冷涼な地区にある古い畑の区画に、大きな可能性を見出したBertrand GautherotとBenoït Dossotは、その価値を示すためにここで作ったChampagne を Clandestin (秘密のシャンパーニュ)と名付けた。今回のワインは、この区画の南向の少し暖かい畑でオーガニック栽培されたPinot Noirで100%で作られたcuvée Australのもの。因みに北向きの畑ではcuvée Borealを同じくPinot Noir100%作っていて、味わいの違いを楽しめるそうだ。カルシウムを豊富に含んだ土壌だ。できる限り自然なワイン作りを目指し、やさしくプレスしたブドウを野生イーストで発酵させている。オーク樽での熟成の後、ボトル内のシュールリー製法でさらに15ヶ月熟成される。最終的にはデゴルジュマンドの後ドサージュ0で仕上げられる。

グラスに注ぐと、ロゼに近いような薄いピンクがかったイエロー。できるだけ手を加えずに作ったblanc de noirだから色が残ったのかと思った。泡は細かい。香りはドライアップル、アプリコット、バラなどの甘く華やかなトップノートに続き、すっきりとした酸味を感じられるシトラスの香り、ミネラル感も感じた。口に含むとやや濃厚な感触のドライフルーツ感、しかし酸味もしっかりとしているのでべったりした感じはない。ドサージュゼロの辛口で、乾杯用というよりも食事に合わせたいタイプ。フィルターリングもしていないらしい。個性的な好き嫌いの分かれるChampagneだと思う。こう書くと、繊細さを欠くように感じるかもしれないが、そうではなく厚みを持ちながらも香りと酸味のバランスの良いワインだと思う。いつものバターレモン風味のチキンの味を引き立たせた。その後、あまおうとダークチョコレートでペアリングを試してみた。イチゴにはもう少しさっぱりしたタイプの方が合うかもしられないが、ダークチョコレートには良くあった。

評価(5点満点)

Champagne Clandestin Austral Recolte 2020   4.5点

投稿者 Gen

Certified Specialist of Wine Sake Diploma