ワインとお料理のペアリングイベントにいってみた。前菜、魚料理、肉料理とデザートのコースにおすすめのワインが提供される。まずアミューズと前菜のお供のChampagneは、英国王室御用達で知られるLaurent-Perrier la Cuvée。ChardonnayとPinot NoirとMeunierのブレンド。透明感のある薄いゴールドに細かい泡が弾けて、クリーミーな泡が長く残る。香りは白い花アカシアなど小さな花のイメージ、グレープフルーツにかすかなミントとフレッシュ。飲み口はスッキリとしながら、華やかな花の香り、主張しすぎないブリオッシュなどがバランス良く感じられる正にエレガントな味わい。香川県産の立派なアスパラガスと美山平飼い卵の一品とともに。お食事の前のChampagneがおいしいと、その後の期待感が高まりワクワクする。

お魚料理には、グレイス甲州鳥居平畑プライベートリザーブとClos Cibonne Cuvée Tradition Rosé Côtes de Provenceの2本が用意された。レストランのスタッフの方がこの甲州は日本酒の様な香りを感じますとおっしゃった。甲州はあまり飲んだことがなく、飲みやすく軽い味わいの白ワインとの認識だったが、確かに日本酒の吟醸香がはっきりと感じられた。そうバナナの香り、酢酸イソアミルを思い出した。ドライなワインなのだが、甘い香りのおかげでまろやかで酸味も穏やか。今回の真鯛、アサリに菜の花をあしらったお料理に合っていた。お寿司にも合いそうだ。Provence roséの方は、ワイナリー自社で特別に栽培したオーガニックtibouren をメインに、Côtes de Provenceのガイドラインに沿ってgrenacheを少しブレンドしたものだ。Provence roséと言うと、ランチに合わせる気軽な軽めのワインというイメージをだったけれど、このワインは別物だった。まず色が濃くオレンジワインのようで、外観でも濃厚さを感じさせる。香りはピーチ、ハチミツにスパイスの様なアクセントも。飲み口はやはり一般的なroséの軽快さはなく、ボリュームとアルコールを感じた。甘い香りの反してドライ飲み口、酸味があるのでフレッシュさもある。今回のお料理の菜の花の苦味と呼応していた。

お肉料理は、黒毛和牛のサーロイン。お供のワインは、SUBMISSION Napa Valley Cabernet Sauvignon と2020 Bourgogne Cote d’Or Pinot Noir Domaine Parent2種だった。 SUBMISSIONは、 正にCaliforniaのCabernetという感じのフルボディーの熟したフルーツ感と樽の香りが詰まったワインだ。 Bourgogne Cote d’Or Pinot Noir Domaine Parentの方は、フレッシュないちごやラズベリーなどのベリー系の香り、酸味とタンニンのバランスも良いPinot Noir。Domain Parentは2013年にオーガニック認証を受けている。New WorldとOld Worldワインの対比がわかりやすい組み合わせだった。今回のサーロインは繊細なソースが添えられていたので、Bourgogne Cote d’Or Pinot Noirの方が合っている様に感じられた。CaliforniaのCarbernetにはやはりベーベキューのような豪快なステーキが合うかもしれない。
家飲みワインは好みものばかり選んでなかなか冒険できないので、テイスティングイベントで見聞を広げ色々発見するのは楽しかった。また良いイベントを見つけたら参加しようと思う。
評価(5点満点)
Laurent-Perrier la Cuvée 4.5点
グレイス甲州鳥居平畑プライベートリザーブ 3.8点
Clos Cibonne Cuvée Tradition Rosé Côtes de Provence 4点
SUBMISSION Napa Valley Cabernet Sauvignon 3.5点
Bourgogne Cote d’Or Pinot Noir Domaine Parent 3.8点