12月を迎えて、日に日に寒くなってゆく。食後に暖かな部屋でゆっくりしたい時、デザート代わりに甘いワインとチーズが気分。SauternesとGorgonzolaを準備してみた。今回のSauternesは、Château Guiraud 1er Cruの2008年のものだが、頂点に君臨するChâteau d’Yquem次ぐレベルとも言われている。Bordeauxのワインは、特に近年有機栽培に熱心に取り組んでいる作り手が多いが、Château Guiraud も年月をかけて有機栽培に移行し、2011年のヴィンテージからオーガニック栽培の認定を受けている。SauternesのメインのブドウはSémillonで、Botrytis cinerea または “noble rot”と呼ばれる菌(貴腐菌)を発生させやすく、Sauternesをユニークなものにしている。酸味のバランスをとるためにSauvignon Blancを加え、さらにアロマティックに仕上げるために、Muscadelle をブレンドすることもあるようだ。Château Guiraudでは、65% Sémillonを35% Sauvignon Blancブレンドしている。秋の夜に Garonne河に沿って発生する霧が、Sauternes地区の留まり朝方までワイン畑を覆う。太陽が顔をだすとブドウの水分を乾燥させるため、結果として糖度が高くなる。収穫まで長い期間を辛抱強く待って、デリケートな貴腐菌を繁殖させて、貴腐ブドウが出来上がる。このブドウをワイナリーの野生酵母で発酵させ、18ヶ月新しいフレンチオーク樽で熟成する。さて、ワインを試してみよう。透明な綺麗なゴールド色は蜂蜜のよう。熟したパイナップル、ハニー、アプリコット、バニラなどの甘い香りが広がる。口に含むと砂糖漬けのオレンジピールや熟したマンゴなど、よりリッチで深みのある甘さがある。甘いだけでなく、酸味もしっかりとあるので、決してべったりとした甘いだけのワインではない。余韻は長いが、後味はスッキリしている。Golgonzora Dolceと合わせたが、チーズが少し甘くクリーミー過ぎるような気がし、より塩味と青かび感の強いStiltonの方が合いそうだと思った。
評価(5点満点)
Château Guiraud 1er Cru 2008 4.8点