一般的にカリフォルニアのワインは濃厚で重く、アルコール度数も高いというイメージがある。しかし生産者によってはフランスをはじめとするヨーロッパのスタイルを志向し、エレガントでバランスに優れたワイン造りを行っている例も少なくない。今回はSanta Maria Valley AVAの太平洋に面した冷涼な土地で造られたPinot Noir。海風の影響を強く受けるこの地は生育期間が長く、果実はゆっくりと成熟しながらも酸をしっかりと保持する。
色調は透明感のあるルビー色。香りはラズベリーやチェリーといった赤系果実を中心に、フローラルなニュアンスとタイムや乾いたハーブが重なり、さらにココアやバニラを思わせる樽由来の甘やかさが複雑さを与える。口に含むと果実の凝縮感は十分にありながらも重たさはなく、引き締まった酸が全体を支え、土っぽさや紅茶、ホワイトペッパーのニュアンスが層を成して広がる。タンニンはきめ細かく柔らかで、構造は均整が取れている。フルボディ寄りの充実した味わいながらも、あくまでエレガントな印象を保ち、余韻にはスパイスと熟した果実、そしてオークのニュアンスが長く持続する。冷涼な海岸性気候と砂質土壌に由来するミネラル感、豊かな果実味と調和した一本。
評価(5点満点)
Solomon Hills Estate Pinot Noir 2020 4.8点
