今回のSta. Rita Hills AVAのChardonnayは、冷涼な気候と太平洋からの風がしっかりと影響しているワインだ。(同じ畑で栽培されたPinot Noirはこちら)外観は、淡いゴールドで、ディスクに厚みがあり、透明感がある。どこか清涼感もあり、視覚的にも引き込まれる。香りを嗅ぐと、最初にペトロール香が顔を出し熟成を予感させる。そこから、はちみつやレモンカード、洋梨のフルーティーな香りが広がってきて、さらにスイカズラやわたあめの甘い花の香りも。甘くて華やかな香りが豊か。ミネラル感や樽の香りがしっかりと奥に潜んでいる。

口に含むと、最初はまろやかでスムース。香りから想像される甘さはなく、ドライでシャープ。ミネラル感がしっかりしていて、塩味を感じる。どこか海風を思わせるような清涼感があり、アルコール感(14.5%)は高めだけど、全体的にはバランスが取れている。タンニンと樽の影響が骨格をささえ、リッチで複雑な味わいを作り上げている。

フィニッシュは長く続き、香りがそのまま風味として広がる。最後に少しの苦味とミネラル感が残り余韻が深い。時間が経つと、さらに複雑さが増してくるのが感じられる。

最初に感じた甘い香りや豊かなボリュームから、カリフォルニアらしいバター感のあるChardonnayを予想したけれど、飲んでみると予想を裏切って、しっかりとした構造と複雑さがあるワインだった。かなり洗練されていて、バランスの良さを感じる一本だ。

Brewer-Clifton 3D 2019 4.5点

投稿者 Gen

Certified Specialist of Wine / Sake Diploma