Cristalは、その外観からして他のChampagneとは一線を画している。1876年、ロシア皇帝アレクサンドル2世のために造られたこのChampagneは、暗殺を恐れた皇帝の要望により、無色透明で底が平らなボトルを採用した。毒物や爆弾を仕込ませないための工夫だったとされている。現在のボトルデザインは当時とは異なる部分もあるだろうが、ラベルからネックのホイルカプセルに至るまで、すべてがゴールドで統一されている。透明なボトル越しに見える、いわゆる「シャンパンゴールド」のワインの色合いと相まって、Cristalはまるで光を放つかのような輝きを湛えている。

グラスに注ぐと、色調はまさにシャンパンゴールドで、きらきらと輝くきめ細かな泡が美しく立ち上る。泡は非常に滑らかで、その繊細さが心地よい舌触りを生み出していることがすぐに伝わってくる。香りはフレッシュなライムやレモンゼストを中心に、オレンジフラワーの華やかさが広がり、背景にはごく微かにミントのニュアンスが感じられる。全体としてスムースでシルキーな印象を与えるアロマだ。

口に含むと、レモンやライムの爽やかな果実味がまず広がり、続いてアーモンドの風味やほのかな樽の香りが重なってくる。塩味を思わせるミネラル感が味わいに奥行きを与え、しっかりとしたテクスチャーを持ちながらも、驚くほどさらりと飲み進められるバランスの良さがある。後味は長く、心地よい余韻が静かに続き、飲み終えた後も満足感が残る。現時点でも完成度の高さを感じさせるが、もう少し熟成させることで、さらに異なる風味や複雑さが現れてきそうな可能性も感じさせる一本だ。

Cristalは魚介類にあうと聞いていたので、ズワイガニ、アサリのワイン蒸し、サーモンのお刺身などを用意したが良くあっていたと思う。また食後のイチゴとラフランスにもうまく調和していた。

評価(5点満点)

Louis Roederer Champagne Cristal 2015 4.5点

投稿者 Gen

Certified Specialist of Wine / Sake Diploma