こだわったナチュラルワイン作りで知られる人気のワイン生産者Jean-Claude Lapalu氏。ここ数年彼の作るBeaujolais Nouveauを楽しみにしている。今年のNouveauは、花崗岩土壌で育ったガメイの持つ香り高さとミネラル感がしっかりと表現された一本。ステンレスタンクを用いたCarbonic Macerationで、ナチュラルワインらしいピュアな果実味が際立ち、ワイナリーに棲みつく土着酵母による自然発酵が、素直でのびやかな味わいをもたらしている。濾過を行わない造りのためか、グラスに注ぐと紫がかったルビーレッドの色調にほんのりとした曇りが見え、澱の存在がナチュラルワインらしい。

グラスに残った澱

香りは、Beaujolais Nouveauらしいイチゴキャンディーやラズベリーの瑞々しい印象がまず広がり、赤いバラの花やリコリスのニュアンスがその奥から立ち上る。ステンレスタンク熟成ながら、どこか樽を思わせるようなほのかな木の香りも感じられ、香り全体に温かみを添えている。

口に含むと、アルコール度数11.5%らしい軽やかな飲み心地に、赤系ベリーのジューシーな果実味が広がる。柔らかな酸が全体を引き締め、スパイスの香りがアクセントに。フィニッシュにはミネラルがしっかりと残り、クリアで心地よい余韻を残す。今飲んでもちろん美味しいが、良質なNouveauなので、少しの期間寝かせてもさらに面白い表情を見せてくれそうだ。

いつものレモンバターチキン、カマンベールチーズ、そしてガナッシュチョコレートとの相性も良く、料理の柔らかな脂やほのかな甘みがワインのフレッシュさと調和し、一本があっという間に空になってしまった。人気ゆえにすでに売り切れてしまっているのが残念。

評価(5点満点)

Beaujolais Villages Nouveau 2025 Jean-Claude Lapalu 4.5点

投稿者 Gen

Certified Specialist of Wine / Sake Diploma