AOC Juraという名前は以前から知っていたものの、実際にワインを飲むのは初めてだ。Juraはブルゴーニュの東、スイスと国境を接する小さなワイン産地で、ジュラシックパークのジュラ期の名前のもとになったJura山脈のある地域。そしてSavagninはこの地域原産のブドウ品種。Savagninは、Sauvignon Blanc、Chenin Blanc、Grüner Veltinerの親だと言われている。親しみやすい要素を持ちながらも、独自の特徴を持っている。Ouilléといのはワインのフレッシュさを保つために、同じワインを補足する形で少量の補酒を加える技法だ。JuraではSavagninでワインを作る場合、シェリー酒のように皮膜で酸化させて作られるワインが多いが、Ouilléは酸化を避けてクリーンでフレッシュなモダンな仕上がりを目指している。
さて今回のワインは淡い黄金色で、透明感があり、見るからにフレッシュさを感じさせた。グラスに鼻を近づけると、まずグレープフルーツや梨のような果実の香りが広がり、次第に梨の種のようなほのかな苦味を感じた。香りの奥には、ヨーグルトのような酸味があり、複雑なアロマが楽しめる。
口に含むと、軽やかな飲み口でありながら、しっかりとしたフレッシュ感が広がった。ミネラル感が強く、石灰質土壌の特徴が感じられた。酸味は爽やかで、ヨーグルトのようなクリーミーさもありながら、梨の種のような苦味がアクセントとなって、味わいに深みを与えている。11.5%のアルコール度数にも関わらず、後味はドライでありながら長く続き、飲み終わった後も余韻が心地よく残る。
シーフードやチキンといった軽めの料理とも相性が良いだろう。今回はパルメザンチーズと合わせたところ良く合った。フレッシュでありながら、しっかりとした味わいと複雑さが感じられる、バランスの取れたワインだ。
評価(5点満点)
Arbois-Pupillin Savagnin Ouillé 2022 3.8点