オレンジワイン──古代の技術が現代に蘇る味わい

ここ数年、オレンジワインの人気がじわじわと高まっている。ナチュラルワインのトレンドと重なるように、添加物を極力使わず、自然な醸造法でつくられるこのスタイルに注目が集まっているようだ。

オレンジワインの起源は、約8000年前のジョージア(旧グルジア)にまでさかのぼる。現地では「クヴェヴリ(Qvevri)」という素焼きの壺を地中に埋め、白ブドウを皮ごと発酵させてワインを醸していた。まさに“白ブドウを赤ワインのように造る”という製法である。

一般的な白ワインは、果汁だけを発酵させるのに対し、オレンジワインは白ブドウを果皮ごと(スキンコンタクト)使うことで、独特の色と風味を生む。今回はスペインの土着白ブドウPuesta en Chusを使ったオレンジワインを味わった。色は琥珀色、香りはオレンジピールや干しりんご、ドライハーブのスパイシーさに、潮風のようなミネラル感も。ひと口飲めば、ドライでしっかりとしたタンニンが感じられ、バランスの良い酸味とともに、シェリー酒を思わせるような熟成感もある。

しっかりとしたストラクチャーを持ちつつ、アルコール度数は11%と軽やかで、重すぎない飲み心地。タンニンがある分、白ワインには合わせにくいようなこってりした肉料理にも寄り添える。夏の日に、涼しい夕暮れどきに、冷やして楽しみたい一本だ。

評価(5点満点)

Puesta en Chus  4点

投稿者 Gen

Certified Specialist of Wine Sake Diploma