Beaujolais Nouveauは、言うまでもなくその年収穫したブドウで作った新酒をフレッシュなうちに飲むものだ。毎年11月の第3木曜日に解禁となるので、その時期が近づくと日本でもその年のBeaujolaisの出来が話題となる。フレッシュな味わいの秘密に、ブドウの房を破砕せずにタンクに入れて発酵させるCarbonic Meceration 製法がある。ブドウの重さでブドウが潰れ、果汁が出て自然に発酵が起こり、タンクには炭酸ガスが充満する。この製法で作ったワインは、タンニンが控えめで色も薄め、トロピカルフルーツや赤いベリー系のアロマが現れるとされる。今回ワインショップの在庫整理で手に入れたものを、7月の下旬に開けてみた。そもそも日本でBeaulolais Nouveauがフランス現地価格と比べて格段に高いのは、空輸コストがかなりかかってしまうかららしい。しかも早く売り切らないと全く売れない在庫を抱えることになるので、利益を得るには価格設定を高めにせざるを得ないのかもしれない。今回のワインは、いわば適正価格で手に入れた悪くないデイリー赤ワインと言える。Beaujolais Nouveauらしいストロベリーキャンディーのような香り、フレッシュな飲み口は衰えてはいなかった。暑い夏冷やして飲むにはぴったりだ。鶏胸肉をバターとレモンでソテーした一皿と合わせてみた。
Beaujolais Nouveau 2023 Marius Michaud
評価(5点満点)3点