今夜の夕食は、牛肉の赤ワイン煮(Bouef Bourgonion)。ブルゴーニュの赤ワインが良く合うらしいので、2012 Faiveley Clos de Vougeot Grand Cruを開けてみた。Clos de Vougeotは、Vougeot村に位置する約122エーカーのCote de Nuitsで最も大きなGrand Cru(特級)畑である。2006年にこの地方のワイナリーを訪れた時に試飲させてもらった赤ワインのうちの一つにClos de Vougeotがあったが、試飲した中では一番美味しいかったのを覚えている。
さて、今回のワインは2006年に訪れたのとは別の生産者である、Domaine Faiveleyという定評のある生産者のものである。抜栓するとまず甘い香りとドライフラワーの香りがした。グラスに注ぐとガーネット色でワインの縁はオレンがかっており、10年以上経った古酒であることを思わせる。口に含むとオーク樽の木汁が滲み出た液体というのが正直な第一印象。流石に12年も経っているからなのか、ワインはくたびれた感じがした。牛肉の赤ワイン煮を食べながら、時々グラスを回しつつ、ワインを口に含むと酸味と乾燥した薔薇のようなタンニンがあり、評判通りこの料理に合うことが確認できた。アルコールと酸味が牛肉の脂肪を切り裂き、タンニンは煮込んだ赤ワイン(チリ産メルローを使用)の濃い味に負けない。料理と見事に調和した。時間が経つにつれオーク樽の味はまろやかなバニラの味と香りに変わった。乾燥した薔薇のようなタンニンが前面に出てきて、ワインがグラスの中で生き返ってきた。流石、Grand Cruという感じがした。
しかし、このワインのピークは数年前であったのではないかと思う。また、2006年に試飲したClos de Vougeotの方が美味しいかったような気がする。当時は50ユーロの値段で販売されていたが、購入を躊躇し後悔した。Domaine Faiveleyはもっと名の知れた生産者であるが、それを考えても約4倍の値段は高い。ワインの価格が高騰している現在ではお買い得な方だと思うのだが、50ユーロで購入できた時期があったことを思うと素直にお買い得とは思えない。Grand Cruワインが1万円以内で飲めた時代に戻りたい。
評価 (5点満点)
4点